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2006年09月07日
■ ファイブフォース分析とは?
タツヤ:「レイナちゃん、それじゃあ前回に続いてファイブフォース分析の残りの要因について見ていくことにしようか。」レイナ:「ファイブフォース分析っていうのは業界の競争構造や収益性を分析するフレームワークで『買い手の力』、『売り手の力』、『代替品の脅威』、『新規参入業者の脅威』、『業界内競合の程度』の5つの観点から分析する手法でしたね。」
タツヤ:「そう。前回はうちの会社がコンピューター製造業に参入するに当たって、業界を『買い手の力』と『売り手の力』から分析したんだけど、今回は『代替品の脅威』、『新規参入業者の脅威』、『業界内競合の程度』から見ていくことにしよう。」
レイナ:「前回、販売先である『買い手の力』と仕入れ業者の『売り手の力』はコンピューター製造業者にとっては不利な条件だったから、今回の分析は楽しみだわ。」
タツヤ:「それじゃあ、『代替品の脅威』なんだけど、コンピューターにとってはどんなものが代替品になるだろう?」
レイナ:「そうね。コンピューターといえば、メールやインターネット、ワープロ、表計算などで必需品ですよね。そんなコンピューターの代替品なんてあるのかしら?」
タツヤ:「たとえば、メールやインターネットなどの機能で言えば今や携帯電
話で代用する人が多くなってきただろう。」
レイナ:「そう言えばそうね。私なんかもパソコンは起動させるまでに時間がかかって面倒だから、携帯でメールやインターネットを済ますことも多いもの。」
タツヤ:「そうした面から、携帯電話って言うのは1億台近い端末が普及しているけど、パソコンの代用品ということができるんだ。」
レイナ:「携帯電話って言うのは機能も日々進化しているし、端末によってはほぼ無料で手に入るものもあるから、代替品としては本当に脅威になりますね。」
タツヤ:「ということはパソコンて言うのは代替品の観点からも競争が厳しいということになるね。次の『新規参入の脅威』はどうだろう?」
レイナ:「やっぱり、コンピューターを組み立てるには大規模な工場が必要だから誰でも参入できるってわけじゃないですよね。」
タツヤ:「実はそうでもないんだ。コンピューターっていうのは言ってみれば規格品だから材料さえあれば誰でも作ることができるんだよ。」
レイナ:「そう言えば『自作パソコン』みたいなタイトルで本もたくさん出てますしね。」
タツヤ:「だから大規模な工場が無くてもパソコン製造業は始められるんだ。実際に自宅の倉庫のようなところで始めて大きくなったパソコンメーカーもあるからね。」
レイナ:「ということはパソコン製造が儲かるビジネスだということになればどんどんと新規に業者が参入してくるってことになるのね。」
タツヤ:「そういうこと。だから『新規参入の脅威』という観点からもコンピューター製造業はうまみがないっていうことになるんだ。」
レイナ:「それじゃあ、最後の『業界内での競争の程度』はどうなのかしら?」
タツヤ:「さっき言ったようにパソコンと言うのは規格品だろう。ということは差別化が非常に難しいから、自ずと価格競争になって、業界内での競争は非常に厳しいものになるのは火を見るより明らかだね。」
レイナ:「実際に採算が厳しくて撤退するメーカーもあるくらいですからね。」
タツヤ:「そう。こうして5つの観点からコンピューター製造業という業界を分析してみるといかに競争が激しく、収益を上げにくい環境であるかが一目瞭然だろう。」
レイナ:「そうですね。事前にこのような厳しい環境がわかっていれば、パソコン製造業に新規参入することは難しいと言わざるを得ませんね。」
【MBA講座:今回のTake Away】
◆ファイブフォース分析とは?
→ハーバードビジネスクールのマイケルポーター教授による業界の競争構造を分析するフレームワーク。業界を『買い手の力』、『売り手の力』、『代替品の脅威』、『新規参入業者の脅威』、『業界内競合の程度』の5つの観点から分析し、競争や収益性の程度を測る。
◆買い手の力
→商品やサービスを購入するグループの相対的な力関係を分析する。次のような場合に買い手の力は強くなる。
1.買い手側で大手企業の寡占が進んでいたり、大量購入できる体力のある企業が存在する場合
2.自社の扱う商品が標準的なもの、もしくは十分に差別化されていない場合
3.買い手にとって自社の製品やサービスがあまり重要でない場合
◆売り手の力
→原材料を供給する企業との相対的な力関係を分析する。次のような場合に売り手の力は強くなる。
1.供給業者側が少数の業者によって支配されている場合
2.供給業者側の製品の独自性が強い、もしくは差別化されている場合
3.供給業者を変更する時に掛かるコストが非常に高い場合
◆代替品の脅威
→自社の提供する商品やサービスと形は異なるが機能が同じものと比較をする。次のような場合代替品の脅威は増す。
1.顧客のニーズを満たす製品やサービスが多い場合
2.代替品へ切り替える際に発生するコストが少ない場合
◆新規参入業者の脅威
→参入障壁の程度を分析する。次のような場合は参入障壁が高くなる。
1.事業に多額の投資が必要な場合
2.製品の製造に特別のスキルやノウハウが必要な場合
3.先行する企業に絶対的なブランド力があり、ブランドの確立に多大な資金が必要な場合
4.製品の流通チャネルが既存の競合他社に抑えられていて新たにチャネルを開拓するのにコストがかかる場合
5.新規参入を規制する法律などが存在する場合
◆業界内競合の程度
→業界内での競争の程度を分析する。次のような場合業界内の競争が激しくなる。
1.業界内の企業数が多い場合
2.需要が停滞している場合
3.業界に法的な規制がない場合
4.業界の技術革新が続いている場合
5.業界を圧倒的に支配する企業が存在しない場合
投稿者 MBA : 2006年09月07日 12:04
