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2006年11月23日

 ■ CRM戦略とライフタイムバリュー

レイナ:「「タツヤ先輩、インターネットってほんとに便利ですね。今まで安いと思っていたお店のブランド品がインターネットで価格を比較してみたら1番安いってわけじゃないことがわかったわ。これからはやっぱりインターネットで事前に価格を調査して商品を購入すべきね。」


タツヤ:「そうだね。消費者の立場からするとインターネットや情報技術の発達によってより多くの選択肢を入手できるようになって利便性が飛躍的に向上したよね。ところが、販売する企業側にとっては、情報技術の進展は新たな顧客を低コストで獲得できる機会が増えるといういい面もあるけど、長年の顧客さえ簡単に奪われる激しい競争の中に否応無く巻き込まれるという深刻な危機に直面することになるから一概に喜ばしいことではないんだけどね。」


レイナ:「そうね。商品が同じであれば、お店の信用っていう問題もあるけど、やっぱり価格が1円でも安いところを選ぶって消費者も多いものね。」


タツヤ:「そういう意味では今や商品やサービスを選択する主導権は企業から顧客に移って、顧客が最適な企業を選ぶ時代になったと言えるんだ。だから企業としては顧客主導のビジネス構造へ転換できるかどうかがビジネスの成功の鍵を握っていると言っても過言じゃないくらいなんだよ。」


レイナ:「以前の大量生産・大量消費の時代は企業主導で作れば売れる時代だったけど、これからは消費者の立場に立ったビジネスモデルを構築した企業しか生き残れなくなるのね。」


タツヤ:「その通りだよ。これまでのマーケティングではプロダクトに焦点を当てた分析やプロモーションを核とした戦略が中心となっていたんだけど、これからは企業活動を行う上で最も重要な情報の1つである顧客情報に焦点を当てて、その情報を有効活用したマーケティング戦略の確立が企業存続にとって不可欠のものとなってくるんだ。このマーケティング戦略が俗に言うCRMなんだよ。」


レイナ:「CRM?」


タツヤ:「そう。CRMっていうのは“Customer Relationship Management”の略で、顧客と良好な関係を構築・維持して獲得収益を最大化させるために、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客群を明確に定義した上で、その顧客群に対して最適なマーケティングミックスを適用する戦略のことなんだ。」


レイナ:「ということは、CRM戦略っていうのはすべての顧客ではなく、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客に対してマーケティングミックスを最適化する戦略ってことですね。」


タツヤ:「そうだね。そしてこのCRM戦略を立案する上で鍵になる概念が“ライフタイムバリュー”と呼ばれるものなんだ。」


レイナ:「ライフタイムバリュー?」


タツヤ:「そう。ライフタイムバリューっていうのは略してLTVとか日本語で顧客価値とも呼ばれているんだけど、一人当たりの顧客がその企業に対して生涯にもたらす価値、もしくは利益のことを表すんだ。たとえば、顧客が生涯に1回の買物をして1万円の利益を企業にもたらせばLTVは1万円だし、2回の買物をして2万円の利益をもたらせばLTVは2万円と言うことになる。」


レイナ:「ということは、ライフタイムバリューっていうのは長い期間取引してもらったり、利幅の大きい商品やサービスを購入してもらうことによって向上させることができるってことですね。」


タツヤ:「そうだね。特に今は価格競争も厳しくて顧客を獲得するのにキャンペーンなどを行って、初回の取引は赤字という場合も珍しくないんだ。だからCRM戦略でリピート購入を促して最終的に利益を確保するという戦略も必要になってくるんだよ。」


レイナ:「つまり、CRM戦略によって長い間顧客に支持される仕組みを作ってライフタイムバリューを向上させるのがすごく重要だってことね。」


タツヤ:「その通りだよ。そして、このような顧客を中心に据えたマーケティングマネジメントでは顧客価値の向上こそが企業価値の向上を意味するようになるんだ。」

 
【MBA講座:今回のTake Away】


◆CRMとは?
→“Customer Relationship Management”の略で、顧客との関係構築・維持から獲得収益を極大化するために、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客群を明確に定義して、その顧客群に対して最適なマーケティングミックスを適用する戦略。


◆CRMの特徴
→すべての顧客ではなく、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客に対してマーケティングミックスを最適化する。


◆CRM戦略の鍵になる概念
→ライフタイムバリュー


◆ライフタイムバリューとは?
→LTV、もしくは顧客価値とも呼ばれる。一人当たりの顧客がその企業に対して生涯にもたらす価値、もしくは利益のこと。

投稿者 MBA : 2006年11月23日 15:21