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2006年12月21日

 ■ 最新の投資指標EV/EBITDA倍率って何?

レイナ:「タツヤ先輩。最近外資系投資ファンドのTOBなど企業買収が日本でも活発化していますね。ところでこのような投資ファンドはどのようにして投資対象を選んでるんですか?」


タツヤ:「そうだね。投資ファンドが買収対象を選定する際によく利用される指標にEBITDAっていうものがあるんだ。」


レイナ:「EBITDA?初めて聞く用語ですけど一体EBITDAってどんな指標なんですか?」


タツヤ:「ああ、EBITDAっていうのは、Earnings Before Interest,Taxes,Depreciation and Amortizationの頭文字を取ったもので税前利益に支払利息と減価償却費を加えたものなんだ。」


レイナ:「でも、なぜそのEBITDAっていう指標が利用されるんですか?」


タツヤ:「通常、企業の収益性を測る基本的な指標には営業利益、経常利益、税前利益、税引後利益などがあるんだけど、それぞれの利益には特有の問題点が含まれているからなんだよ。」


レイナ:「その問題点って?」


タツヤ:「たとえば、営業利益って言うのは売上から営業にかかるコストを引いて求められる利益だけど、減価償却の計算方法によってその値が変わることがあるんだ。」


レイナ:「減価償却って言うのは実際にキャッシュの支出を伴わないコストだからキャッシュフローの観点から営業利益は問題があるってことですね。」


タツヤ:「そうだね。次の経常利益はこの営業利益に金融収支を加味して求められる利益なんだけど金利支払や有価証券売却益などの影響を受けてしまうんだ。」


レイナ:「ということは経常利益は借入金利の高低の影響をもろに受けるところに問題があるっていうことか。」


タツヤ:「そう。それから税前利益は経常利益から一時的な損益を加えて求められるんだけど、グローバルスタンダードな会計基準では日本ほど一時的な損益を認められていないし、税引後利益はその国の税率によって大きく異なるという問題点があるんだ。」


レイナ:「だから、そのような各利益の問題点を解消して、各国の金利や税率、会計基準の違いを最小限にした指標がEarnings Before Interest,Taxes,Depreciation and Amortization、つまりEBITDAってわけですか。」


タツヤ:「そうなんだ。だからこのEBITDAという指標はいろいろな国に多くの子会社を持つ多国籍企業を分析する際や海外の同業他社との収益力を比較する際にも用いられているんだよ。」


レイナ:「投資ファンドは日本だけでなく世界レベルで企業のEBITDAを比べて最も効率のいい先を投資先に選定するってことなのね。」


タツヤ:「そうだね。実際にはEBITDAだけでなく、負債+時価総額である企業価値(EV)とからめて、EV/EBITDA倍率という指標を利用するんだ。」


レイナ:「たとえば、企業価値(EV)が5000億円でEBITDAが1000億円だとするとEV/EBITDA倍率は5倍だし、同じく企業価値が5000億でもEBITDAが2000億円あればEV/EBITDA倍率は2.5倍になるわけね。」


タツヤ:「そう。だからEV/EBITDA倍率が低い企業ほど魅力的な投資対象ということになり、このEV/EBITDA倍率を参考に投資ファンドは買収対象を絞り込んでいくってことなんだ。」

 

【MBA講座:今回のTake Away】


◆EBITDAとは?
→Earnings Before Interest,Taxes,Depreciation and Amortizationの頭文字を取ったもの。イービットディーエーもしくはイービットダーと呼ばれる。日本語に訳すと金融収支前・税引き前・償却前・利益となる。


◆EBITDAのメリット
EBITDAは減価償却の方法や金利、税率、会計基準の影響を最小限にしているので、多国籍企業の収益性の分析や海外の競合企業との収益性を比較する際に利用される。


◆EV/EBITDA倍率とは?
企業価値(Enterprise Value)がEBITDAの何倍になるかを測る指標。倍率が低いほど投資対象として魅力が増す。

 

投稿者 MBA : 2006年12月21日 14:28