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Lesson 128 高すぎるWindows Vistaその訳は?PSM分析
「タツヤ先輩、遂にWindows Vistaが発売されましたね。ニュースによれば、1月にして今年最大の大型商品という触れ込みもありますけど。」
「そうだね。Microsoft officeも同時にバージョンアップしたからMicrosoftとすると今年は書き入れ時だね。ところでレイナちゃんはもうバージョンアップはしたの?」
レイナ:「もちろんしてないですよ。だって、最新の機能がそこそこ使えるホームプレミアムにしたってアップグレードで2万円近くもかかるんですよ。そんなお金あったら、おいしい食事とか、ちょっとしたアクセサリーを買ったほうが賢いお金の使い方じゃないですか。」
タツヤ:「確かにMicrosoftは独占企業のようなものだから強気の価格設定ができて、アップグレードといえども世の中の常識以上の価格になっているよね。まあ、Microsoftにとっては買い替えの時にVista搭載のパソコンが売れて徐々にシェアを上げていけばいいのかもしれないけど・・・」
レイナ:「そうよ。私なんてXPで全然不便は感じないもの。高いお金を払ってまでVistaにする理由がないわ。」
タツヤ:「そうだね。企業とすると、今回レイナちゃんがVistaに対して思っているような『顧客がその価格に対してどのように感じるか』を知ることも重要なポイントとなるんだ。」
レイナ:「顧客の価格に対する感受性を知るってことですか?」
タツヤ:「そう。たとえば、多くの顧客が自社製品を高いと感じれば購入する顧客が少なくなるし、逆に安いと感じれば多くなるだろう。また高いと感じてても売上が維持されていればそれは競合他社の製品とうまく差別化できている証拠にもなるんだ。」
レイナ:「確かに言われてみればそうですね。」
タツヤ:「このような顧客の価格に対する反応のことをマーケティングではプライス・センシティビティと言うんだ。」
レイナ:「プライス・センシティビティ?」
タツヤ:「ああ。プライス・センシティビティでは顧客が価格に対して注目する程度や価格の動きに反応する程度が表わされるんだよ。」
レイナ:「でもどうやってそのプライス・センシティビティを把握することができるんですか?」
タツヤ:「うん。それはPSM分析で把握するんだよ。」
レイナ:「PSM分析?」
タツヤ:「そう。PSM分析っていうのはPrice Sensitivity Measurement分析の略で、顧客がある製品の価格に対してどのような認識を持っているかを明らかにする手法なんだ。」
レイナ:「PSM分析ってなんだか難しそうですけど、具体的にはどのような方法なんでしょう?」
タツヤ:「内容は至って簡単だよ。この分析ではまず消費者に製品の価格対して次の4つの質問をするんだ。『いくらから高いと感じ始めるか?』、『いくらから安いと感じ始めるか?』、『いくらから高すぎて買えないと感じ始めるか?』、『いくらから安すぎて品質に問題があるのではないかと感じ始めるか?』ってね。次に消費者から得た回答をグラフに埋め込んで製品に対する消費者の認識や受容性を明らかにするってわけさ。」
レイナ:「そうなんですか?PSM分析っていうのは結構単純なものなんですね。」
タツヤ:「そう。この質問をグラフにすると4つの曲線が描かれるんだけど、この曲線が交わったポイントにいろいろ意味が込められているんだ。」
レイナ:「たとえば?」
タツヤ:「たとえば、『高すぎる』と『安い』が交わる価格は企業にとって最も利益が高くなるんだけどこれ以上価格を高くすると誰も製品を買ってくれないという最高価格になるし、『高い』と『安い』が交わる価格は消費者にとってこの製品ならこの価格は仕方がないと思う妥協価格になるんだ。そして『安すぎる』と『高い』が交わる価格はこれ以上安くすると消費者が『品質に問題があるんじゃないか』って疑い始める製品品質保証価格になる。消費者にとって理想の価格は『高すぎる』と『安すぎる』が交わる価格ってことになんだよ。」
レイナ:「へぇー、面白いですね。Microsoftは独占企業のようなものだから、きっとVistaに最高価格を設定しているんですね。製品品質保証価格と言わないまでも、妥協価格や理想価格だったら私でもアップグレードしたかもしれないのに。」
タツヤ:「はははっ、そうだね。やはり、企業とすると自社の都合による価格設定だけでなくこのようなPSM分析を通した顧客の観点からの価格設定も重要になってくるんだけどね。」
【MBA講座:今回のTake Away】
◆プライス・センシティビティとは?
→顧客の価格に対する反応のこと。
◆PSM分析とは?
→『いくらから高いと感じ始めるか?』、『いくらから安いと感じ始めるか?』、『いくらから高すぎて買えないと感じ始めるか?』、『いくらから安すぎて品質に問題があるのではないかと感じ始めるか?』という4つの質問を通して『最高価格』、『妥協価格』、『理想価格』、『製品品質保証価格』を探っていく分析手法。
◆PSM分析での『最高価格』とは?
→企業にとって最も利益が高くなるが、これ以上価格を高くすると誰も製品を買ってくれないという価格。『高すぎる』と『安い』が交わるポイント。
◆PSM分析での『妥協価格』とは?
→消費者にとってこの製品ならこの価格は仕方がないと思う価格。『高い』と『安い』が交わるポイント。
◆PSM分析での『理想価格』とは?
→消費者にとって高すぎず、安すぎず丁度いい価格。『高すぎる』と『安すぎる』が交わるポイント。
◆PSM分析での『製品品質保証価格』とは?
→消費者が『品質に問題があるんじゃないか』って疑い始める価格。『安すぎる』と『高い』が交わるポイント。
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