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Lesson20 イノベーションで競争優位を確立するためには?
「タツヤ先輩、前回は組織として計画型と臨機応変型のバランスが重要だってことだったけど、やっぱり大企業や歴史のある企業はどうしても計画とコントロール優先のマネジメントが行われることが多くなるわね。このような企業が現代の厳しい競争を勝ち抜いていくにはどのようにすればいのかしら?」
「そうだね。レイナちゃんが言ったような企業の経営は、データ分析に基づく分析的戦略の手法を機械的に戦略選択に適用しようという傾向があるから競争が激しい業界の場合は注意が必要になってくるよね。このような企業の場合は組織体質の改善とシナジーを超越した技術の有効活用で厳しい競争に対応することが可能になるんだよ。」
「組織体質の改善とシナジーを超越した技術の有効活用ですか?」
「そう。新しい環境に企業を適合させるためには、戦略をいかにしてシフトさせるかが最も重要な課題となるんだ。この課題を達成するためには、トップマネジメントのリーダーシップのあり方やマネジメントスタイルなど経営体質の改善をまず第一に図らなきゃいけないんだ。」
「そうね。まずトップが変わらなきゃ企業としては何も変わらないものね。」
「次に、これはポーターという経済学者が指摘しているんだけど、重要な技術をすべて網羅して自社の総合競争戦略を強化するような技術戦略を立案することが企業にとって重要になってくるんだ。ここで自社の重要な技術すべてを網羅する技術戦略というと、企業として通常はある事業単位が持っている技術や知恵を他の事業単位に移すシナジー効果を期待すると思うんだけど、それでは現在における企業の新しい戦略創造を実現するのは困難なんだ。」
「どうして?シナジー効果ってことは少ない経営資源でより多くの収益を期待できるってことでしょう?」
「うん。シナジーっていうのはあくまでも既存の技術を他の事業単位に移すだけであって、事業単位間の相互関係によって新しい事業活動が展開されていくのを目指すものではないからなんだ。」
「そうするとただ単なる技術の移転ではなく、企業の持つすべての技術を持ち寄った事業部横断的な組織で新たな技術開発に取り組むべきだってことですか。」
「そうだね。たとえば液晶技術で世界をリードするシャープなどは戦略商品の開発に当たって、事業部横断的に必要な人材を招集して、事業部と事業部、営業と開発、製造などの各部門の知恵を結集して最先端の技術の開発に成功したんだ。だから企業とするとこのようにシナジーを超越した自社技術の有効活用が競争力の源泉として非常に重要になってくるんだよ。」
「このように企業とすると、競争が国際的に激化する環境の中で、トップマネジメントのリーダーシップのあり方やマネジメントスタイルなどの経営体質の改善に努め、シナジーにとらわれないで自社の持つ技術の有効活用に努めれば、競争優位を確立することも可能になるってことですね。」

【MBA講座:今回のTake Away】
■新しい環境への適合のためには企業にとって戦略をいかにシフトさせるかが重要な課題となる。
→この課題を達成するためには組織体質の改善が不可欠。
・トップマネジメントのリーダーシップのあり方
・マネジメントスタイル
■企業は競争優位性の確立のために自社の持つ重要な技術をすべて網羅する技術戦略を立案することが必要不可欠。
→事業部横断的に必要な人材を招集し、各部が連携して新技術開発に努める。
→シナジー効果を期待するのではなく、各事業部のアイデアや技術の組み合わせ
によってイノベーションを引き起こす。
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